TurNinG PoInT !31宇都宮短期大学附属高等学校小さい頃から4つ歳上の兄のサッカーの応援に行っていて、すぐに自分でもボールを蹴るようになり、中学時代も真っ黒に日焼けするまで毎日ボールを蹴っていました。2年生の時には震災を経験し、自宅が半壊だった為、1年間別の家に住んでいました。今思えば、そんな時でもサッカーを続けさせてくれた親にとても感謝しています。3年生の夏からは受験勉強に取り組みましたが、まさかの不合格。初めての挫折でした。大学からは心機一転、空中の格闘技「セパタクロー」に燃え、学生選手権大会では全国ベスト8にもなりました。これまでの運動やジムのインストラクターのアルバイトの経験から、運動や体にも興味を持つようになる中、「リンパ浮腫を工学的に解明する」研究と出会い、どんどんとのめり込んでいきました。1年間イギリスにも留学しており、そこでは本格的に細胞の研究も行いました。留学中に参加した国連主催のWorld Youth Forumでは世界中の熱意ある若者たちとディスカッションし、非常に刺激を受けました。リンパ浮腫は特定のがん手術後に発生しやすく、悪化すると完治が難しい。また予防方法も未確立で、国内患者は15万人(潜在数はさらに多い)といわれている。このリンパ浮腫の早期発見や日々のモニタリングを行うため、小川さんは『EIT(電気インピーダンストモグラフィー)』を用いた『LTモニタ』を開発した。誰でも簡単に「見えない病気を視える化」できる革新的な医療機器だ。「がんを治療できたのだからそれで良しとする」「命が助かっただけでありがたい」というような比較の観点で周囲も見過ごしてしまったり、患者さん自身も途方に暮れてしまうというのがリンパ浮腫の現実。命に直接的に関わらないために研究があまり進んでいないのも事実で、工学系のエンジニアとして何かできないかと考えた。実際に患者さんや医療従事者とお会いして話を聞くことで当事者意識が大きくなり、具体的な人助けがしたいという思いも増していったのが、この社会実装の道を歩み始めたきっかけだ。「がん発症後も誰もが自分らしく生きていける社会」を目指している。2年生まではひたすらサッカーに熱中していました(勉強はそこそこに、、笑)。周りのレベルが高くBチームでしたが、その中ではリーダー的存在でチームを支えていました。「何事も真剣」だったので、3年生からは完全に勉強モードにシフトチェンジ。土日含め、朝から晩まで受験勉強に取り組み、4月頃には高望みでしかなかった千葉大学に合格しました。この時の成功体験がいまだに僕を支えています。実のところ、漠然と「ものづくりで社会貢献ができたら」と思って工学部に入ったので、とくに「研究者になろう」とは思っていませんでした。ですが、目の前のことに真剣に取り組むことで、今では、研究、そして、製品化へ取り組む研究者になりました。研究室内では、多くの優秀な外国人研究者とも毎日英語でのディスカッションを通して研究、学外では、事業化を目指して、ビジネスコンテスト出場や投資家との打ち合わせ、リンパ浮腫を知ってもらうための活動も行っています。「何事も真剣」〜サッカーと勉強〜研究〜世界に先立つ製品開発RyomaOgawa大好きなサッカーと挫折の経験留学で変わった世界観千葉大学 大学院工学研究院 特任助教学術研究・イノベーション推進機構(IMO)客員起業家(EIR)小川 良磨さん普通科特進コース 2015年卒業宇都宮市立清原中学校出身見放された後遺症、がんサバイバーを救う大学発ベンチャーの挑戦現在15歳18歳16歳
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